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神戸フランツ

神戸フランツ本店の生チョコロール・プレーン実食レビュー

2017年12月4日

JR神戸線の「六甲道」駅から徒歩約10分の場所にある神戸フランツ本店。

週末に所用で神戸を訊ねたついでに、以前から行きたかった神戸フランツの本店に立ち寄ることに決めました。

公式サイトに掲載されている地図を頼りに、駅を出て北に向かっていき、商店街を抜けてから、さらに西へ進むこと約12分、ついにそのショップを見つけることができました。

ホームページで見たままの風景です。

夕方近くに到着したので、周辺は人はまばらでしたが、店舗にはお客さんが一人入っており、買い物をしていたので、少し外で待つことにしました。

やがて買い物を済ませたお客さんが出てこられたので、私は挨拶がてらに「コマンタレブ、マダム?」と尋ねて差し上げてにこりと微笑むと、三十代後半のお美しいマダムは「ウィー、ジュヴェビアン、ムッシュウ」と飛び切りの笑顔で私にウィンクを送ってくれたのです。そして私は・・・

というのは当然ながら全くの妄想で、女性のお客さんがごくごく普通に店から出てきた後に静々と入店した、というだけのことでございます。

さてさて、中は私一人で、店員さんもカウンターの向こうに一人いるだけ。

店内は本店というのに、意外に手狭な感じで、これならまだ以前に行ったハーバーランドのモザイク店のほうが広かったなと感じました。

しかし店の狭さとは裏腹に、周りに陳列されている商品や目の前のショーケースの中身はかなり充実しています。

これだけの種類はモザイク店では見られなかったほどで、さすがは本店という印象。

「いらっしゃいませ」

店員さんからお声をかけて頂いたので、私はそれまで眺めていたショーケースの一点を指さして「あのチョコロールを一つお願いします」と注文しました。

それは以前からネットで見て以来、一度ぜひ食べてみたいと思っていたロールケーキでした。

通常ならロールケーキは私のそれほど好むところではないスイーツの一種なのですが、以前に神戸フランツのチョコを食して以来、そのキラキラしたブランドイメージからかけ離れたハードボイルドな大人のカカオ味で作られたロールはどんな味がするのだろう?という好奇心が頭から離れなかったのです。

そこで今回神戸を訪ねるにあたって、この本店に立ち寄って本場のチョコロールケーキを頼んでみようという気になったのですが、それが今まさにこの時でした。

「しばらくお待ちください」

保冷時間を確認し、奥にある厨房のような一室に入っていった店員さんを眺めながら、私は改めて壁にかけられた神戸フランツのロゴマークを見て、港町の風情に心を遊ばせていました。

「これが碇のマーク・・世界を渡り歩く船乗りたちを陸につなぎ留めておく唯一の心の止まり木というやつか・・」

目を閉じて、遠い外洋に思いを馳せるひととき・・

気が付けば、いつの間にか意識を失っていた私の鼓膜の前に「お待たせいたしました」という声が響きました。

はっ、と慌てて目を開けて涎を拭いていると、目の前に赤い袋が。

待望のチョコロールケーキでした。

「ダンケシェーン」

私は二コリと笑って礼を言い、代金を支払うと、寝ぼけ眼のまま笑顔をたたえながら店内を後にしたのでした。

手に下げた鮮やかなレッド色のショップバッグを目にし「今夜の獲物はこいつだ」と不敵につぶやく1人の男。

午後4時5分。

初冬の肌寒い夕方のことでした。

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生チョコロール実食レビュー

およそ2時間足らずで自宅に到着した私は、さっそく手提げ袋の中に入った生チョコロールを検分することにしました。

チョコを食べる前にじっくりと眺め、観察し、そして声を出して愛でた後におもむろに「ガブリんちょ!」と食すのが、我が一族に伝わる甘菓子の正しい食べ方というもの。

今回も、もれなくその伝統文化を踏襲するつもりでございます。

では・・・

開陳タイム!

怒涛の2連発でいきなり本陣を衝いた感じでございます。

大きさは両手に持って少し余るくらい。

開封していきなりカカオマスの濃い香りが漂ってきています。

これはかなり「出来るチョコロール」の予感。

では続けて怒涛のピクチャー連射タイムといきましょう。

どうです?

食べたくなってきましたか?

私はこの時点ですでにカメラを持つ手が小刻みに震えて「カカオマス禁断症状」が出始めていましたから。

「カカオを・・カカオマスをくれ!それも飛びっきりの甘いやつを!」

そうやって叫びながら倒れていった歴戦のカカオ戦士たち。

彼らの思いを無駄にしないためにも、ここは一つ「ガブリんちょ」と大きな口を開けて食すとしようではありませんか。

怒涛のチョコロール切りたて8連発!

商品を渡される時に「冷凍の状態でお持ち帰りください」と伝えられたので(帰宅まで2時間以上かかるため)、すぐには食べられないとは思っていましたが、実際に深部が軽く凍った状態のロールは、ナイフを入れる時にほんのり抵抗がありました。

しかしすでに熱くなった男のカカオ熱は炎の如し。

たとえそれが凍っていようとも、体の中のカカオへの情熱がそれをメラメラと焼き尽くすがごとくに溶かしてしまうのは必定というものです。

私は「でええええええええええええええぃっ!」と大声をあげながら、切り取ったチョコロールを一切れ、

ポンッ

と優しく皿の上に載せて差し上げました。

(これがフランツのチョコロールというものか・・)

これまでの人生で幾度となく食しているはずのロールケーキでしたが、今回ばかりはその思いが段違いに異なります。

なにせあの名店のチョコロ―ルですから。

大人の色気をこれでもか!というくらいに具現化した神戸カカオチョコ製のロール菓子ですから。

こうして私はついに禁断のカカオの地に舌を踏み入れたのです。

でいっ!

でい

どぉええええええええええいっ!

ついにその完璧なまでの半円状態を突き崩してしまった、愛と哀しみの瞬間・・・

だって・・・だって・・・あまりにも美味しそうだったもの!!

さて気を取り直して実際の味わいですが、これがまあ、あーた、ほろ苦いチョコレート生地のスポンジと甘さ控えめのクリームが、お口に心地よいことこの上ないですがな。

しかも驚くことなかれ、このチョコロールケーキには、その真ん中に生チョコがスクウェアのままで挿入されているという衝撃の事実が!!

生クリームに包まれながらサイコロのような不敵な姿をすやすやと永眠させておくのはいかにももったいなし!と判断した私は、掘り出したお宝を綺麗に洗うつもりで、一枚一枚はがすように大切に生クリーム及びその周辺のチョコスポンジケーキをフォークで丹念に解いて差し上げたのです。

甘く、ほろ苦いクリームとチョコスポンジを取り除いた後には、生まれたまんまの生チョコが半分になった姿で横たわっていたのでした。

こうしてチョコスポンジ、生クリーム、そして生チョコロールの核心的利益部分であるスクウェア生チョコをじっくり食した後は、いったんナイフとフォークの手を休めて、改めてしげしげと残りのロールケーキを眺めてみました。

「グーテンターク・・・」

わけもなくドイツ語で「こんにちは」の言葉を吐く意味は、今のところまったく不明です。

しかしその真意は「意味がわかる・わからない」を超えたところで大きく飛躍し、そして羽ばたく可能性を持っているのです。それはまるでイカロスの翼のように・・

熱すぎる私のカカオ熱に溶けてしまった生チョコと、口の中でまったりと広がる生クリームおよびカカオスポンジの限りなく官能的なコラボレーションにダンケシェーン。

<おすすめポイント>

・ジェノワーズタイプのふかふか生地

・プレミアムチョコレートを贅沢に使用

・チョコレートのほろ苦さを引き立てるフレッシュなクリーム

・柔らかな口どけの濃厚生チョコレート

<おいしい食べ方>

冷蔵庫内で6~7時間、解凍していただけるとふかふかの生地と新鮮なクリームと濃厚な生チョコレートのハーモニーを楽しんでいただけます。

<価格>

1830円(税込み)

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